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【特報】月刊少年マガジン✕ジャズ専門誌「Jaz.in」コラボ! 『カインズオブブルー!』岩矢滉一朗 ✕ 15歳のジャズピアニスト・Ai Furusatoの対談をお届けします!

26/10/06

漫画世界でジャズの魅力を描き出す岩矢先生と、現実世界でジャズの最前線を走るAi氏。
二人が語り合うのは、「セッションの本質」と「ジャズが駆り立てる青春衝動」。
読めばきっと、『カインズオブブルー!』の音が聴こえてくる‼
(進行:音楽ジャーナリスト 原田和典 氏)


Ai Furusato プロフィール

15歳のジャズピアニスト。12歳でバークリー音楽大学にプレジデンシャルスカラシップ(授業料全額免除)を得て、同大学史上最年少の正規学生として入学。9歳でジャズを始め、現在はアメリカと日本を拠点に国内外で演奏活動を展開。オリジナル作品のリリースや劇伴の提供など、作曲やレコーディングにも積極的に取り組み、次世代ジャズシーンを担う若手アーティストとして注目を集めている。
2026年11月3日(火・祝)には、カルッツかわさきにて『Ai Furusato – Piano Solo & Trio』を開催予定。


──本日はよろしくお願いします! まずはお互いの作品や演奏について、いかがでしょうか?

Ai:ジャズの良いところだけでなく、難しいところがよく表現されてるなと思って、すごく共感しました!

岩矢:Aiさんからそう言ってもらえると、ちゃんと描けたという安心感があります。毎日されているピアノ演奏の配信、原稿を描きながら聴いています! 『枯葉』とか、簡単なスタンダードでも全然聴いたことのないアレンジで、オリジナリティがある。その若さで、人生の密度の濃さが出ている気がして、圧倒されています。演奏をしているうえで何を意識しているんですか?

Ai:私はいろんな音楽が好きなので、ジャンルに囚われずに「これをこう弾きたい!」というのを実践しています。もしかしたら、父がロック、母がジャズのプレイヤーであることも影響しているかもしれません。




──それぞれから質問事項をいただいています。まずは岩矢さんからAiさんへ、ジャズとの出会いを教えていただけますか?

Ai:もともとジャズには詳しくなかったんです。9歳のときにコロナ禍で小学校が休校になりました。すると、それまでよりも家でピアノを練習する時間が自然に伸びて、成長が速くなりました。その後、学校に戻れる時期になりましたが、ずっと練習していたくなったんです。
そんな時に、音楽学校の存在を知りました。母のつてがたまたまジャズの先生だったのですが、この時点では私はピアノができれば何でもいいと思っていました(笑)。でも、その先生がすごく上手な人で、初日から引き込まれて、気づいたらジャズにのめり込んでいました。岩矢さんはどのような出会いでしたか?

岩矢:中学では吹奏楽部で、高校ぐらいからギターでロックのコピーバンドをしていたんですが、もう少しオリジナリティのあることをやりたいと思うようになりました。一から生み出すのは難しいと感じたものの、元の音楽をアレンジするのは楽しいのではと思い、大学ではジャズ研究会に入りました。




──今度はAiさんから岩矢さんへ質問です。いつ頃から漫画家になろうと思ったんでしょうか?

岩矢:これは2回あって。小学生のときから絵を描くのが好きで、卒業文集には漫画家になると書いていました。その後、音楽を始めて、漫画からしばらく離れていたんですけど、もう一度漫画家になろうと思ったのは24歳の時です。進路を見つめ直した時に、やっぱり子どもの頃の夢である漫画を描きたいなって思いました。

Ai:『カインズオブブルー!』のストーリーはどのように思いついたんですか?

岩矢:まずは地元の函館を舞台に、ジャズの漫画を描こうということが決まりました。最初はピアニストの奏太郎が主人公でした。でも、彼を中心に据えると、あまり気持ちを乗せて描けないし、その先も見えてこなかった。そんな時に、どこからか「進藤いつみ」という推進力のあるキャラクターが出てきました。周りの人間関係がバッと繋がって、この子だったらこう言うんじゃないかと思えた瞬間に、ストーリーが自然と広がっていきましたね。




──Aiさんから見て、主人公のいつみはどんな印象ですか?



Ai:すごく勇気と自信があるなと! 例えば、初めてセッションに行くシーン。今までずっと一人で吹いていたのに、知らない人と即興で合わせるって、すごく怖いと思うんです。ジャズミュージシャンに必要な気質を持っているキャラだと感じました。

岩矢:Aiさんも最初、緊張しましたか?

Ai:私はあまり…というのも、自宅の1階でピアノバーを経営していて、幼い頃からセッションに参加していたんです。でも、いつみと同じ環境だったら絶対に緊張していました! 東京でセッションに参加するエピソードはどのように思いついたんですか?

岩矢:田舎で一人で吹いてたら、きっとセッションしたいはずと思っていて、その勢いのまま行かせてしまったという感じです。僕自身は、慣れてる仲間とのセッションでも緊張しました。だからこそ、いつみが自信を持ってセッションの場に出ていって、成長する姿を存分に描きたいなと思いました。




──岩矢さんからAiさんへ、普段どんな練習をしていますか? という質問もありました。

Ai:アメリカで毎日1曲生配信してるので、前日にライブがあっても次の日の曲を準備する必要があります。アレンジや、その曲について少し話せるように背景も軽く調べますし、何かを克服して成長したいという思いもずっと持っています。だから、この生配信が人前での本番であり、練習でもあるという感じです。

岩矢:漫画連載も同じようなところはありますね。毎月掲載される原稿が練習であり本番で、常に未熟さと戦っているイメージです。

Ai:サックスとか、描くの大変ですよね! トランペットにしても指を引っ掛ける場所があったりとか。

岩矢:難しいですね。自分なりにこだわって描いていますが、今見ると少しおかしいかもというところもあります(笑)。

Ai:いや、めちゃくちゃお上手です!




──岩矢さんからAiさんへ、ピアノの一番好きなところは何ですか?

Ai:私は「雑音」がすごく好きで、ピアノでいうと、ハンマーの音が大好きです。1stアルバム(『the Dawn』)のレコーディングでも、マイクをあえてハンマーの近くに置きました。また、手首の位置や手の使い方で、同じピアノでも、人が違うと本当に音色が変わるんです。「なんでこんなに変わるんだろう?」っていつも思うんですけど、それを追求するのがすごく楽しいです。

岩矢:人の声とかほど、パッとわかる違いではないと思いますが、聴き込んでいけばわかるようになりそうですね!

Ai:逆に、漫画の一番好きなところは何ですか?

岩矢:たくさんのキャラクターがコマの中にいる様子を一目で楽しめるところです。複数のキャラクターが同時に何か喋ったりするのを、遠くから眺めてるような感覚を得られるのは、漫画の特長なんじゃないかなと思います。それをいつでも見られるというのが良い。そして、どこから読んでも何となく楽しめるのも魅力ですね。

Ai:音がないからこそ、読んでる人の想像力が高まるのもすごく良いですよね。映像とは違って自分のペースで読めるのも大きな魅力だなと思っています! 『カインズオブブルー!』で、岩矢さんが一番好きなキャラやセリフはありますか?

岩矢:やっぱり主人公のいつみですね。1話の「トランペットがあればどこにでもいける」というセリフは、最後の修正で出てきたんですが、すごく手応えがありました。決まった場所に行かなければジャズができないということはないじゃないですか。例えば、レコードで偉大な先人の音楽と触れ合うだけでも世界は広がるし、Aiさんのような配信でも世界中と繋がれます。自分の生まれ育った土地が好きで、日常の中にジャズがある。そして、それをどこまでも自由に広げていける。いつみのキャラを象徴したセリフになったと思っています。

Ai:そのセリフ、私もすごく好きでした。世界に行っても、音楽があれば会話ができるというのを私自身は実感していて。1つの場所に留まりながら、どこにでも行けるような…矛盾しているようですけど、そういう力を得られるのがセッションの魅力だと思います! ちなみに私は、ベーシストのユウジさんがお気に入りです。変な人が好きなので(笑)!

岩矢:ありがとうございます(笑)。連載が続けば、ユウジのエピソードも考えています!





──私が気になっていたのがタイトルです。マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』が由来だと思うのですが、どんな意味が込められているのでしょうか?

岩矢:Kindを複数形にすることで、いろんなキャラクターの群像劇、それぞれのジャズを描きたいという思いを込めました。あとは、日本の青春漫画の代名詞である「ブルー」を使いたかったのと、「!」で明るさですね。

Ai:なるほど! 確かに、マイルスの、黒っぽくて都会っぽい「ブルー」とは違いますもんね。

岩矢:音楽性では、いつみはおそらくクリフォード・ブラウンやリー・モーガンに近いかなと思っています。


注:
・マイルス・デイヴィス…「ジャズの帝王」と呼ばれる伝説的なトランぺッター。
・クリフォード・ブラウン…明るい音色と圧倒的テクニックが特徴のトランぺッター。
・リー・モーガン…若くして才能を爆発させたトランぺッター。クリフォードの再来と言われた。

──ジャズと他のジャンルの音楽の、一番大きな違いは何だと思いますか?

Ai:実際にセッションすると相手の性格、価値観がよくわかるところだと思います。普段の性格は合わない人でも、一緒に演奏すると、逆に全然違う素晴らしいものが生まれることもあり、醍醐味といえる瞬間です。だからこそ、演奏していてすごく楽しいです。

岩矢:セッションでの交流は、演奏する側だからこそわかる魅力ですよね。そういう意味でも、実際にやった方が楽しい音楽なのかなと思います。もちろん聴くのも面白いですけど。


Ai:そうですね。その瞬間で何をするのかは何も決まっていない。セッション=会話だから、どこに行っても間違いじゃない、どこに行っても正解なのが面白いところです。




──お二人とも、演奏することや漫画を描くこと自体の喜びがあると思うのですが、誰かに向けて生み出しているのか、あるいは自分が楽しいことが大事なのか、どうなのでしょうか?

Ai:音楽を制作している時は、自分のやりたいことと皆さんが聴きたいもののバランスを意識しています。でも、実際に演奏する時は、お客さんがどう感じるかを優先しています。ライブではなく配信で見る方や、将来その演奏が届く方も含めてですね。聴いてくださる皆さんを感動させられるようにというのは、絶対に心がけるようにしています。

岩矢:漫画も、誰がどこで、どういうふうに読んでくれるかわからないので、近いところがあります。でも、青春なのか函館なのかジャズなのか、入り口はたぶん様々で、それを「読者のためです」というのは難しいんですよね。だから、いろいろ感想をいただければ、その経験の蓄積で方向性が見えてくる気がします。一つあるとしたら、今の自分というよりは、漫画読者である中高生の頃の自分が読んで買ってくれるかなというのは考えています。




──最後に、漫画のこれからの展開、ミュージシャンとしての今後についてお聞かせください!

岩矢:ジャズをどう描こうかと日々試行錯誤しながら描いています。ただ、いつみのような強い気持ちを持った、行動力のあるキャラクターが真ん中にいてくれるので、それに従っていけばいいのかなと思ってます。応援よろしくお願いします!

Ai:私は20歳までにグラミー賞を取るのを目標にしています。それに向かってできることを全てやって、まっすぐ突き進んでいきたいと思っています!



『カインズオブブルー!』1巻、絶賛発売中!



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