
第23回月刊少年マガジンコミック大賞デビュー入賞者発表!
総評
魚豊『チ。―地球の運動について―』『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』(小学館)
久々に読切をたくさん読めて、フレッシュな気持ちです。初心を取り戻しました! とどのつまり、漫画とは「気持ちの結晶」だと思います。気持ちが、ひとつの世界を誕生させ、そしてやがてそれが終わってしまう。そんな切なくて豊かな営為、僕は他にあまり知りません。 その質感をどの作品からも感じました。冗談じゃなく、全ての作品に泣きそうになりました。それと、どの作品も優しくて、とても嬉しかったです(創作において、これは最重要な事だと思います。) 皆さん、これからますます上手くなると思います。技術は死ぬまで向上すると思います。 ただ、この新人賞の時期にしかない、瑞々しさ、切迫感、言葉や絵、漫画を描く理由。どうかその感覚のかけらを、ずっと作品に閉じ込めてください。
大 賞
賞金100万円
+
液晶タブレット or スキャナー or 一眼レフカメラ のうち1つ
+CLIP SUTDIO PAINT EX 2デバイス 3年版
+マンガ作画資料集
+図書カード10000円
入 選
賞金50万円
+
CLIP SUTDIO PAINT EX 1デバイス 1年版
+マンガ作画資料集
+図書カード10000円
『ガンヒーローオシロス』
山田hamekon(21)
佳 作
賞金15万円
+
マンガ作画資料集
+図書カード10000円
審査員特別賞
魚豊先生のコメント
とても良いです。感動しました。まず、設定のユニークさが、いい意味で漫画っぽくて、また読切ならではで、素晴らしいです。(与えられたページ数に対しての箱庭の作り方が上手い) また、終盤明らかになる展開も、ベタに驚きました。人生では、叶えられなかった過去や、あったかもしれない未来に思いを馳せます。触れることはできませんが、そんな可能性達 に、「食べ物」を与えることは出来る。それはまるで、自分以外の人生に、自分のあり得た想像力を提示する作家の姿勢と似ています。そして、叶えられなかった自分の想いを糧にして、その無念を、どこか別の自分/他人に叶えてもらう、その他者の世界を垣間見て、救われる自分もいる。なんて素晴らしいお伽話なんだろうと思います。この寓話力があれば、なんでも描けると思います。
受賞まであと1歩!
最終選考進出作品
『勇者スマホのキュンきゅんドドド』小屋村もぐと(21)
『春の天使クリティカル』中尾華(20)
『ドウケシ』宝樹知花(20)
『See of you』雨人(23)
『薫ル冬至』豊キオ(20)
『Re』萩野泰明(31)
『みわくせいシュガースター』河井タコス(20)
『怪画修復工房へようこそ』繰る戸ちひろ(19)
『Ⅱ(セカンド)』練町ねるそ(35)
『空想の魔女』則 和希(22)
『疾風迅頼』和親(17)