新人賞というと、昔は既成の人気漫画の模倣が多いイメージでしたが、今回はそれぞれの個性的なテーマでエンターテイメントを意識せず、自分の世界で描き切っている作品が多く、新人賞らしくていいと思いました。年齢よりも大人びた感覚を持つ作家さんが多いことにも驚いた。作画もデジタル作画が普及したため、アナログのまだペンに慣れていない硬さがなく、ラフな線で、自由にのびのび描いている印象が強く、粗削りだが、これから時代を作って行く熱量を感じました。夢を仕事にするには、幸せである反面、結果を出さなくてはならない辛さもありますが、今ののびのび描いている楽しさをいつまでも忘れず糧にして、将来、過去の自分に誇れる連載作家になってください。
ひと振りで３本の太刀筋を残す獣の爪痕を思わせる刃刃刃、斧を２つ合わせるとギロチンの刃の形になり、獲物の首を飛ばし、血の雨を降らす雨降など、ネタ全てがかっこいい！ おまけにタイトルのスカーレット・ペトリコールも赤い雨が降る修羅場の地面から沸き立つ血の匂いをイメージさせてたまらない!! この作品は三読しました。それほどストーリーに盛り込まれているネタが多く、見落とすとただのアクション物かと誤読してしまう。ラストの魚を咥えた獣のカットが、すでにそっち側の人ならざる運命を背負った主人公のこれからを暗示させて、とても読み応えがありました。
前作から画力、演出力とも大きく伸びた。独特の武器含めバトルシーンにアイデアとセンスが詰まっていた。新人賞はこれで卒業。次はテーマと人物の掘り下げをさらにレベルアップし、連載ヒットを狙ってほしい。
栄えある賞をいただき僥倖です。ユニークな武器を描きたくて制作しました。 和やかなシーンに苦戦した一方、木や田畑などの静的な風景を描くのが楽しかったです。 さらに面白い作品を目指して精進してまいります。
夏服の似合う清涼感のある主人公・渚の絵が良い。気持ちの追い方も丁寧で、もらい泣きするシーンもあった。渚の年頃の思考や再婚相手の父や母など、それぞれちゃんとドラマの中で生きている人間が描けている。 まだ21才の作者の感性と実力に驚かされました。
印象的なセリフとしっかりした演出に高い力量とセンスを感じた。タイトル自体が伏線となっているラストのモノローグが本当に素晴らしく、グッときました。大人っぽいテーマでも「月マガ基地」なら連載可能。いい企画を見つけられれば、連載も夢ではない。
準入選、ありがとうございます。最後まで作品を描き上げ、編集の方々に見ていただいて、 自分の課題を認識できたことは苦くも嬉しく良い経験になりました。 この経験を次の制作に活かしていきたいです。
まず表紙がカラーで気合い入ってるなぁと思ったら、内容が線画だけの真っ白なギャップに戸惑いました。しかし、死の世界の表現ということであればこれも手法かなと思いました。 繊細なファンタジーホラーは僕の好きな『蟲師』に通じるものがあり、引き込まれました。この作家さんは漫画慣れしていないところが強みだと思います。次回作はこの画面センスをさらに進化させた作品を見てみたいです。
画力が高く、登場人物の目の色気が素晴らしい。キャラクター造形力、演出力に目を見張った。ラストシーンの表情も秀逸。恋愛、怒りや憎しみのような、キャラの強烈な思いを軸にした作品を次は読んでみたい。
ひとりよがりに描いたものですが、評価いただけたことが純粋に嬉しいです。 餞別を頂いたと思ってこれからも頑張ります。手を伸ばしてみてよかったです。 ありがとうございます。
これは基本的にヒロインのキャラを楽しむ漫画ということですよね？ 僕は一読目、主人公はもう死んでいるのでは？２人とも幽霊なのでは？等と概念に凝り固まっている自分の読み方しかできず、フリーズしてしまいました。僕みたいな読み手を置き去りに好きなヒロインをひたすら動かしている作者さんを少し羨ましく思いました。
棘木さんのチャーミングな魅力にやられた。あとはキュンと来るシーンやギャグのバリエーションと密度をどれだけ上げられるか。黒川（の観察眼・突っ込み・行動など）をより面白くできれば、２人の関係性がさらに魅力的になるはず。
準入選ありがとうございます。とても嬉しいです。 読んでくれた人も自分も「良い…」って思える漫画を 描けるように努力していきます。
ネームが練られていてよくできてます。ヤミ子のお祓いの対価が百合というのも面白い。僕はどちらかと言うと、百合作品を敬遠してましたが、この作品は全くそれを感じさせない。山場のお祓いシーンのピンチからのドラマもよく、その流れを受け止めて、ヤミ子が魔女化した時のビジュアルに圧倒された。読後感もよく、最後まで読者で楽しめました。個人的には優勝です。
ホラーテイストの中にキャラクターが存在感を持って描かれていて、 読み応えがありました。またコマ割りが自然でとても読みやすかった。 ストーリーを作る力はある。あとは、色っぽい、笑える、泣けるなど 読者の本能を刺激するシーンをより増やしてほしい。
「自己承認欲求」という現代的なテーマはすごく良かった。 また、丁寧に描き込まれた線が主人公の心のざらつきををしっかり表現していた。 ただ、ひたすら自己完結しているためドラマの盛り上がりにはやや欠ける印象。 次は「他者」をしっかり描いてみてほしい。
子供が主人公のファンタジーと思いきや、主人公の成長をしっかり描いており、 スケール感のある物語に仕上がっていた。挫折と成長をしっかり描いていて、 読後感もよく、幸せな気分になりました。背景含め、絵や構図の さらなるレベルアップに期待します。
スケール感があり、連載一話目のような構成の意欲作。ドラマもしっかり作り上げていました。ただ、ファンタジーバトルという題材に挑む以上、武器含めたバトル、キャラクター造形、背景含めた場の面白さ、オリジナリティをさらに増してほしい。
各キャラクターのキメ顔が色気たっぷりでかっこいい。 ただ、人物の位置関係や背景がちゃんと描かれた引きの構図が少なく、 人物同士の会話もほぼないため、何が起こっているのか極端に分かりにくい。 会話とストーリー運びにもう一工夫を！
笑いと青春感が両方あり、さわやかな読後感がよかった。 またコマ運びや絵もしっかりしていて大変読みやすかった。 ただ、ギャグで優勝するためには、1話に入れるネタ、アイデアの量を 今の最低3倍くらい増やしてほしい。
画力は高い。人体がしっかり描かれていてアクションがかっこよく。 また背景の描き込みもしっかりしていて、世界に説得力があった。 キャラクター造形をさらに磨き、より骨太なドラマにチャレンジしてほしい。
演奏シーンの絵には迫力があり、説得力を持っていた。 だが主人公のテーマや展開にもう一歩驚き、目新しさ、オリジナリティが欲しかった。 次回作ではぜひ、日和さんが自分自身で見つけた、ナマの主張を見てみたい。 楽しみにしています。
目の重さが14g、という冒頭のセリフに期待が膨らんだ。 だがその後の展開に意外性がやや足りなかった。漫画に一番必要なのは 「驚き」(意外性）。次に「憧れ」（かっこいい！かわいい！強い！頭いい！など）だと思ってます。この２つをぜひ意識してみてください。
絵もコマ割りもしっかりしていて大変読みやすく、 細かい設定もしっかり考えられている気がした。 SFを描くのであれば、センスオブワンダーが必要。 オリジナリティ、かっこよさ、驚きにつながるアイデアがもう一歩欲しい。
主人公の寂しげな目が印象的だった。ただ、物語はやや散漫な印象。 予めちゃんとした伏線や世界観が提示されていないため、 後半のファンタジー展開がやや唐突に感じられた。 テーマを絞りそこでの人同士のやり取りをよりしっかり見せてほしい。
8pまではとても楽しく、先を期待しながら読み進めてたので、 その後のホラー展開が個人的には残念。この２人のやりとりにどれだけネタを ブッ込めるか。そこで勝ち切ってほしかった。 あと、男の子の年齢を高校生くらいにしてほしい。
血のつながってない親子の物語が優しい目線で紡がれていた。 コマ割りや構図に高いセンスを感じる。くまさんがごっつく見えなかったり、 画力にまだまだ伸びしろがあるので、これからもどんどん漫画を描いてください。
