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10月刊少年マガジンコミック大賞デビュー入賞者発表!
総評

平本アキラ『ふたりスイッチ』月刊少年マガジン4月号より連載開始

初めて、このような審査をしましたが、若い人たちのパワーを感じました。漫画を描くというのはとてもパワーがいることで、一人でこれだけのものを描き切っただけでも、みなさん、本当にすごいと思います。 漫画にとって大切なのは、自分の引き出しからアイディアを取り出しながら、いかにオリジナリティをもって描けるかです。今回もそういった独自性をもったものがやはり評価を得ていると思いました。 どこかで見たようなテンプレとテンプレの組み合わせは、読みやすさもあるけれど、先が読めてしまいます。誰かのテンプレではなく、自身のオリジナリティをしっかりと引き出して、世界観を構築し、見せ方や演出も工夫していってほしいですね。 僕個人としては、今まで見たことがないような世界を見せてくれる漫画がスゴイなと感心します。よく、主人公に共感できる、できないといった話が出てきますが、ただただその世界観に圧倒させられる漫画だってアリだし、そんな漫画は絶対的にオリジナリティにあふれているわけで、人を引き付ける力に満ちています。若い人たちには、今後もそういったパワフルな漫画づくりを目指してほしいし、僕もとても良い刺激を受けたので来月からの新連載頑張りますので、よろしくお願いします。

入 選

賞金100万円

CLIP STUDIO PAINT EX & Wacom Intuos Pro Medium

『不可測の友人』

日口十二(28)大分県

月刊少年マガジン3月号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
あらすじ

裕福な家庭で暮らす少年・トリエスタにとって、貧民街の少女・サラと話すのが何よりも楽しい時間だった。そんな折に、世界各地で空飛ぶサメが目撃されるようになり、人々はその不可測な状況に翻弄され、その影響はトリエスタたちにもおよび…。

平本アキラ先生のコメント

全体的にレベルが高い…ですね。コマが詰まっているところもあるのですが、セリフ、ヒキの絵の使い方が上手いので、情報量が多いのに、ちゃんと読みやすくできていました。まず、少年の主観で描いている1p目がしっかりと世界観を伝えられていて感心しました。また、サメも上手ですね。サメへの愛がないとこんなに色んな角度から描けないと思います。そして、8p~10pの設定の見せ方が、少年漫画的ではないのですが、非常に上手かったです。説明がほとんど入っていないけれど、なんとなく何が起こっているかはわかる。この省略のやり方は非常に難しいんです。センスの良さを感じました。

編集長のコメント

コマ割り、構図、せりふ回しの説得力。今回の応募作の中で、総合力が頭一つ抜けていた。サラの大変なことが起きても笑顔を貫く姿が美しく、別れのシーンに泣いた。次は主人公の行動、意志を通して動く少年漫画らしい物語に挑んでほしい。

準 入 選

賞金30万円

CLIP STUDIO PAINT Pro︎

『Darkside Witch's Soul』

もやは虫の息(18)島根県

月刊少年マガジンR 2号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
平本アキラ先生のコメント

18歳でこの93pをよくぞ描き切ったなと思います。エネルギーを感じました。どういったペンで描いているのでしょうか。粗削りではあるのですが、ガリガリした感じでここまで女の子を可愛く描けるのはすごいと思います。敵や悪魔のキャラデザも、自分で考え、おそらくしっかり資料などを見て、描いているのも素晴らしいです。不思議な階段を舞台にしている作品なので、階段の描写はパースなどを工夫してより多角的な描き方ができると、もっと読者をこの世界に巻き込む事ができるのになぁと思いました。次の作品の階段の作画に期待しています。

編集長のコメント

粗も目に付いたが、アクションシーンの思い切りの良さやかっこよさ、各キャラクターの存在感、世界観の確かさなど、ファンタジーバトル作家としての高い将来性を感じた。次はキャラの表情のバリエーションを増し、明るい主人公にも挑戦してほしい。


『DESIRES』

斯道歩(22)福岡県

月刊少年マガジンR 2号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
平本アキラ先生のコメント

ふざけたことをやっているのにすごく真面目な漫画で、読みやすさは抜群でした。作者のフェチズムがもっと力強く感じられたら、より良かったですね。ほくろが性癖というのは少し物足りないように感じました。そして、この内容が半分くらいのページ数で描ければ、もっと評価は上がったのではないでしょうか?このページ数を使うのであれば、展開にもっと意外性がほしかったです。漫画を描く上での総合力は高い方なので、今後は自分の強力な武器はなんなのかを探って、それを磨き上げてほしいですね。

編集長のコメント

途中からの展開が意外で、ラストの落ちまで楽しめた。次は下ネタギャグを極めるのか、エッチな漫画にするのか、それともバトルストーリー漫画に挑むのか、作品の売りを明快に意識し、振り切ったものにチャレンジしてほしい。

佳 作

賞金15万円

『ULTRA HUMAN』

棄丸(28)奈良県

月刊少年マガジンR 2号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
編集長のコメント

ユイが魅力的で、バディものとしての読みごたえがしっかりあった。主人公のKのキャラクター性をもう少し明瞭にし、二人の掛け合いにもう一歩笑いや味が入っていたら、さらに面白味が増した気がする。

『Dancing in Desire』

鳥羽田航(20)福岡県

月刊少年マガジンR 3号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
編集長のコメント

乙女の明るさ、みずみずしさが印象的だった。ただ、物語の語り部が誰で、誰の物語なのかがはっきりしない印象も。ファンタジーバトルで本誌掲載を目指すなら、男の子目線の物語に挑みつつ、敵キャラの魅力もしっかり作りこんでほしい。

『玉と石』

谷中悟志

月刊少年マガジンR 3号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
編集長のコメント

「何物でもない自分」へのいら立ち、青春の鬱屈はしっかり表現されていた。だが、ツトムのキャラに魅力が足りず、ヒカリの天才性にも説得力がやや不足していた印象。キャラに魅力を詰め込んだ作品に挑んでほしい。

『オーバーカム!』

モリキアカネ(29)神奈川県

月刊少年マガジンR 3号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
編集長のコメント

絵やコマ割りがしっかりしていて読みやすく、力量を感じる。ただ主人公ショウが暴力的なだけな印象。まず最初に主人公は何をしたいのか、何が欠けていて(内面的に)どこが魅力的なのか考え、主人公のテーマに沿って物語を作ってほしい。

『僕が彼女で笑うまで』

梅本夏芽(24)福岡県

月刊少年マガジンR 4号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
編集長のコメント

生徒会長と主人公の顔芸が面白く、最後まで楽しく読めた。主人公が笑ってはいけない動機が弱く、生徒会長の本心もやや予想の範疇だったのが残念。ギャグのバリエーションをさらに増やし、キャラのパワーをさらにアップしてほしい。

『スケープミーツゴート』

今田雄大(20)大阪府

月刊少年マガジンR 4号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
編集長のコメント

独特の世界観のもの展開されるストーリー。絵も物語もオリジナリティがすごかったが、課題も多い。まずは内面描写を減らし、具体的な出来事と各キャラクターの行動をちゃんと描くことから始めてほしい。

『ムーンライトエスケープ』

城岳研志(28)大阪府

月刊少年マガジンR 4号に掲載!
WEBで読む! WEB未公開
編集長のコメント

七々月さんが神秘的で独特の魅力があった。だが、主人公が暗い。暗く重い状況だからこそ、主人公に明るさと強さをもう一歩足してほしかった。主人公ならつらい時にぎりぎりまで笑っててほしい。

奨 励 賞

賞金5万円

『スターゲイザー』

穂頭リョウ

編集長のコメント

時々ドキッとするようないい顔があり印象的だった。ファンタジーに挑むのであれば世界観をしっかり構築し、背景、動物などもかっこよく描いてほしい。もっと引きの絵で見せられるように。

『バスが来るまで』

白波龍二(22)大阪府

編集長のコメント

バス停での出会いというシチュエーションはよかった。お姉さんが主人公の何に魅かれたのか、もう一歩本心と彼女自身の魅力を知りたかった。

『僕のパルファン』

櫻井猫丸(23)東京都

編集長のコメント

女の子の顔はかわいく魅力的だったが、彼女が「真の支配者」である理由付けがやや弱い。物語展開にキャラの動きや思考を無理に合わせようとすると、説得力がなくなってしまうので、次はそこを克服してほしい。

『死書館司書』

和水わか(23)東京都

編集長のコメント

設定自体は大変面白いし練られている。キャラクターさえ魅力的に作れれば連載も目指せる設定。「死者の記憶をつかさどる」ものとしてのカッコよさを、もっと見たかった。次は完全に司書側の目線で、場合によってはキャラも変え作り直してほしい。

『SPOT LIGHT』

GOTTSAN(19)東京都

編集長のコメント

設定はよい。だが、一晩中走り回るときに起きる肉体感覚や実際に起こる苦難がシミュレートされておらず、臨場感に欠ける。もっと練れば飛躍的に面白くできそうな設定だ。

『煤祓い師玄薙』

橋本望杏(18)埼玉県

編集長のコメント

1作目でまたこの年齢でこれだけの作品を描き切ったのは立派。だが、歴史ものであればどの時代をモチーフにしたのかなど、リアリティの担保も必要。今の若者を描いた作品など、現代劇にも挑戦してほしい。

『輩の術師』

山田高房(23)千葉県

編集長のコメント

勢いのある作品だったが、主人公にもう一歩魅力が欲しかった。笑わせたいならそのためのアイデアをしっかり練るべきだし、主人公なりの価値観のようなものがしっかりこもった作品に次はチャレンジしてください。

『花はさくら木、秋は君』

東ノ東(21)

編集長のコメント

咲楽がキュートで時々ドキッとする表情があった。だが、完全に少女漫画のつくり。次はしっかり男性目線で動く、今とは真逆の構造の作品に挑んでほしい。

『幽夕探々麺』

奇言歩武(18)

編集長のコメント

すさまじいパワーとテンポの良さ。コマ割り含めアイデアの多い1作。同時に読みにくかった・・。もう少し線を整理して、読みやすさを意識することで、より広い人に読まれる作品作りを目指してほしい。

受賞まであと1歩!
最終選考進出作品

「強欲のサクリファイス」平林隆太郞(30)

「モノの怪奇譚」杉浦七味(22)

「Dear」原野景(20)

「一凜の告白」芽生(20)

「フルーク」瀬戸ロキウ(23)

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第22回 月刊少年マガジンコミック大賞デビュー! 募集要項

過去の選考結果



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